2008-11-03 [Mon]
【※注意】
LcWのキャラで書いてますが、LcWのお話は完全無視のパラレル設定でございます(汗)。
二階堂パパやワタリも生きてます(笑)。
――――――――――――――
いつのまにか、この国にもその風習は定着していた。
正月には神社に初詣をし、クリスマスにはケーキを食べる。
いかにも雑食なこの国らしいと言えばそれまでだが。
その起源などは知らない人間がほとんどなのだろう。
ましてや今日は――…。
「トリックオアトリート!!」
「Trick or Treat!!」
捜査本部の扉がけたたましい音を立てて開き、元気な少女の声と、少年の流暢な英語が飛び込んできた。
Lは二人の姿を一瞥すると、すぐにくるりと背を向けた。
「ちょっと無視しないでよーL!!せっかく仮装もしてきたのに!!」
「Trick or Treat!! Treack or Treat!!」
真希は悪魔…というより小悪魔風ないでたちで、持ってきた槍でその背中をつつく。
BOYは全身包帯ぐるぐる巻きにして、両手を伸ばして菓子をせがむ。
「…捜査中ですお菓子なら、好きにつまんでいいですから大人しくしてて下さい」
溜息をひとつつき、手元にあったキャンディボックスを差し出す。
世界の名探偵も、この二人にはどうにも敵わないようだ。
「えー、つまんないよー。一緒に食べようよー」
「捜査中だと言っているでしょうワタリに、別室に紅茶とお菓子を用意させますのでごゆっくり」
「じゃあ終わるまで待ってる!」
「…今回の懸案はいつ終わるかわかりませんそれに。二階堂教授が心配されます」
こういう時の真希はなかなか強情だ。
父親想いの彼女を知っていて、あえてその名前を出す。
「L、せっかくいらして下さったのにそう無下に扱うこともないでしょう。
あちらでおもてなし致しますので、一段落したらいらして下さい」
ワタリが間に入ってフォローする。
ここに出入りすること、自分に関わることは、少なからず真希やBOYを危険に晒すこととなる。
Lなりに彼らを想って、彼らを遠ざけようとするのだが…。
二人ともすっかりLを慕ってしまい、作った壁を軽々と、時には力技で乗り越えてくるのだ。
そこまでして近づいてきた相手など今までいなかったから、どうにもペースを狂わされてしまう。
Lは砂糖の沈殿したコーヒーをかき混ぜると、一気に飲み干し、またモニターへ向かった。
事件の首謀者の背後につく組織の足どりを掴んだところで、一旦ファイルを閉じた。
どのくらい時間が経っただろう。
さすがに真希もBOYも帰ったか。
そう思いながら客室のドアを開けたLの瞳に写ったのは…。
お菓子を食べ散らかしたテーブル(恐らくはほとんどBOYの仕業)。
そして、
待ちくたびれてソファで寝息を立てるふたりの姿だった。
「今日はどうしてもここにいたいと…二階堂教授にはお電話を差し上げております。ワイミーズハウスにも」
BOYの毛布をかけなおしながらワタリが言った。
「ワタリ…この二人に話したのですね?」
真希の足元には、可愛らしくラッピングされた包みが。
BOYの手元には、書きかけのバースデーカードが。
「真希さんと二階堂教授の話をしているうちに、私がLのお父さんではないかと問われまして…そのまま、あなたの生まれた日の話になってしまいました。大丈夫、このお二人ならLの個人情報を漏らすようなことはありますまい」
「ん…」
Lとワタリのやりとりに、真希が目を覚ました。
「L…仕事終わった?あっまだ12時なってない!?」
慌てて時計を見ると、日付変更線まではまだ時間があった。
「よかったぁ…さっきね、ワタリさんに聞いてこれ買ってきたの。急いでたからあまりいいの選べなかったけど…お誕生日おめでとう、L!」
大きなリボンを解くと、中身は柔らかく、暖かそうなマフラーだった。
「L、もう冬も近いのにいっつも寒そうな格好してるんだもん。ここにいればエアコンが効いてその格好でも平気だろうけど…。たまにはそれして、外に出ようよ、ね?」
真希はそう言って、ふわりとマフラーをLにかけた。
今までなら、面倒くさいとか、必要ないとか思っただろうが、今は…。
「…暖かいです」
「よかったぁ。ちゃんとケーキもあるんだよ!ワタリさん特製!!ワタリさんって何でも出来るんだねぇ…」
ワタリ特製のケーキ、に反応して振り向くと、彼は優しく微笑んでいた。
「あっ、でもBOY起こすのも可哀想かな…3人で食べちゃおっか?」
悪戯っぽく言う真希の後ろから包帯の手が伸びた。
「Maki…Trick or Treat?」
「きゃあっ!冗談じょうだんー!」
じゃれあう二人に、Lも自然と笑みが零れる。
「さぁ、お茶が入りましたよ」
運ばれてきたバースディケーキに、歓声が上がった。
おしまい。
――――――――――――――
【おまけ】
「「「Happy Birthday L!」」」
「ありふぁとうございまふ」
「あーっ、ロウソクつける前に食べちゃダメー!BOYもLの真似して手で食べないのー!」
LcWのキャラで書いてますが、LcWのお話は完全無視のパラレル設定でございます(汗)。
二階堂パパやワタリも生きてます(笑)。
――――――――――――――
いつのまにか、この国にもその風習は定着していた。
正月には神社に初詣をし、クリスマスにはケーキを食べる。
いかにも雑食なこの国らしいと言えばそれまでだが。
その起源などは知らない人間がほとんどなのだろう。
ましてや今日は――…。
「トリックオアトリート!!」
「Trick or Treat!!」
捜査本部の扉がけたたましい音を立てて開き、元気な少女の声と、少年の流暢な英語が飛び込んできた。
Lは二人の姿を一瞥すると、すぐにくるりと背を向けた。
「ちょっと無視しないでよーL!!せっかく仮装もしてきたのに!!」
「Trick or Treat!! Treack or Treat!!」
真希は悪魔…というより小悪魔風ないでたちで、持ってきた槍でその背中をつつく。
BOYは全身包帯ぐるぐる巻きにして、両手を伸ばして菓子をせがむ。
「…捜査中ですお菓子なら、好きにつまんでいいですから大人しくしてて下さい」
溜息をひとつつき、手元にあったキャンディボックスを差し出す。
世界の名探偵も、この二人にはどうにも敵わないようだ。
「えー、つまんないよー。一緒に食べようよー」
「捜査中だと言っているでしょうワタリに、別室に紅茶とお菓子を用意させますのでごゆっくり」
「じゃあ終わるまで待ってる!」
「…今回の懸案はいつ終わるかわかりませんそれに。二階堂教授が心配されます」
こういう時の真希はなかなか強情だ。
父親想いの彼女を知っていて、あえてその名前を出す。
「L、せっかくいらして下さったのにそう無下に扱うこともないでしょう。
あちらでおもてなし致しますので、一段落したらいらして下さい」
ワタリが間に入ってフォローする。
ここに出入りすること、自分に関わることは、少なからず真希やBOYを危険に晒すこととなる。
Lなりに彼らを想って、彼らを遠ざけようとするのだが…。
二人ともすっかりLを慕ってしまい、作った壁を軽々と、時には力技で乗り越えてくるのだ。
そこまでして近づいてきた相手など今までいなかったから、どうにもペースを狂わされてしまう。
Lは砂糖の沈殿したコーヒーをかき混ぜると、一気に飲み干し、またモニターへ向かった。
事件の首謀者の背後につく組織の足どりを掴んだところで、一旦ファイルを閉じた。
どのくらい時間が経っただろう。
さすがに真希もBOYも帰ったか。
そう思いながら客室のドアを開けたLの瞳に写ったのは…。
お菓子を食べ散らかしたテーブル(恐らくはほとんどBOYの仕業)。
そして、
待ちくたびれてソファで寝息を立てるふたりの姿だった。
「今日はどうしてもここにいたいと…二階堂教授にはお電話を差し上げております。ワイミーズハウスにも」
BOYの毛布をかけなおしながらワタリが言った。
「ワタリ…この二人に話したのですね?」
真希の足元には、可愛らしくラッピングされた包みが。
BOYの手元には、書きかけのバースデーカードが。
「真希さんと二階堂教授の話をしているうちに、私がLのお父さんではないかと問われまして…そのまま、あなたの生まれた日の話になってしまいました。大丈夫、このお二人ならLの個人情報を漏らすようなことはありますまい」
「ん…」
Lとワタリのやりとりに、真希が目を覚ました。
「L…仕事終わった?あっまだ12時なってない!?」
慌てて時計を見ると、日付変更線まではまだ時間があった。
「よかったぁ…さっきね、ワタリさんに聞いてこれ買ってきたの。急いでたからあまりいいの選べなかったけど…お誕生日おめでとう、L!」
大きなリボンを解くと、中身は柔らかく、暖かそうなマフラーだった。
「L、もう冬も近いのにいっつも寒そうな格好してるんだもん。ここにいればエアコンが効いてその格好でも平気だろうけど…。たまにはそれして、外に出ようよ、ね?」
真希はそう言って、ふわりとマフラーをLにかけた。
今までなら、面倒くさいとか、必要ないとか思っただろうが、今は…。
「…暖かいです」
「よかったぁ。ちゃんとケーキもあるんだよ!ワタリさん特製!!ワタリさんって何でも出来るんだねぇ…」
ワタリ特製のケーキ、に反応して振り向くと、彼は優しく微笑んでいた。
「あっ、でもBOY起こすのも可哀想かな…3人で食べちゃおっか?」
悪戯っぽく言う真希の後ろから包帯の手が伸びた。
「Maki…Trick or Treat?」
「きゃあっ!冗談じょうだんー!」
じゃれあう二人に、Lも自然と笑みが零れる。
「さぁ、お茶が入りましたよ」
運ばれてきたバースディケーキに、歓声が上がった。
おしまい。
――――――――――――――
【おまけ】
「「「Happy Birthday L!」」」
「ありふぁとうございまふ」
「あーっ、ロウソクつける前に食べちゃダメー!BOYもLの真似して手で食べないのー!」
【あとがき】
はい、ご拝読ありがとうございました!
L誕生祭の締めはL真希BOY(+ワタリ)でお送りしました。
基本、原作至上主義な私が初のパラレルですよ…!!
恐るべし、真希&BOY(笑)。
つかご都合主義展開で申し訳ない…(苦笑)。
BOYはワイミーズにいますが、まだニアではないようです(爆)。
プレゼントに甘いもの、というのは王道すぎるので、それはワタリにお任せして、真希ちゃんならどうするかなーと。
寒い季節にもなってきたので、外に引っ張り出す意味でもマフラーを。
直接は言ってませんが、真希ちゃんは内心一緒にお出かけしてほしいと思ってます(笑)。
ちなみに最初から誕生日だと知ってたわけではなく、ハロウィンで遊びに来た(Lのところならお菓子も沢山あるだろうと)ら、話の流れでワタリから教えてもらったという感じです。
真希ちゃんに小悪魔コスは激しく似合うと思うのですがいかがでしょう(笑)。
何気にチューブトップだったりして、Lや二階堂パパを動揺させたりするといいよ!
描いてみたかったけど、時間がないのでまた機会がございましたらvv
はい、ご拝読ありがとうございました!
L誕生祭の締めはL真希BOY(+ワタリ)でお送りしました。
基本、原作至上主義な私が初のパラレルですよ…!!
恐るべし、真希&BOY(笑)。
つかご都合主義展開で申し訳ない…(苦笑)。
BOYはワイミーズにいますが、まだニアではないようです(爆)。
プレゼントに甘いもの、というのは王道すぎるので、それはワタリにお任せして、真希ちゃんならどうするかなーと。
寒い季節にもなってきたので、外に引っ張り出す意味でもマフラーを。
直接は言ってませんが、真希ちゃんは内心一緒にお出かけしてほしいと思ってます(笑)。
ちなみに最初から誕生日だと知ってたわけではなく、ハロウィンで遊びに来た(Lのところならお菓子も沢山あるだろうと)ら、話の流れでワタリから教えてもらったという感じです。
真希ちゃんに小悪魔コスは激しく似合うと思うのですがいかがでしょう(笑)。
何気にチューブトップだったりして、Lや二階堂パパを動揺させたりするといいよ!
描いてみたかったけど、時間がないのでまた機会がございましたらvv
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